2008年10月05日

テナント:恐怖を借りた男”(1976)

「シュール娯楽曼荼羅」の初回にふさわしい作品として「テナント」という映画を紹介します。
これは「ローズマリーの赤ちゃん」や「戦場のピアニスト」を監督した「ローマン・ポランスキー」の76年作品である。
最近の洋画はMTVの出現から全体的にペースが非常に早くなっている。
今のテンポに慣れている若い洋画ファンにとっては少しスローに感じるかも知れない作品だが、シチュエーションの不気味さと随所に現れるシンボリックなカットは作品を深く堪能する者にとってはたまらなくぞくぞくする映像である。
ストーリーは:
パリのアパートの1室を借りに来たタルコフスキー(ポランスキー本人)は前の住人「シモーン」が飛び降り自殺を謀り、入院していることを知る。彼はシモーンを見舞いに行くと彼を見たシモーンは叫び出し、そこに見舞いに来ていた友人ステラ(イザベラ・アジャンニ)と共に病院を追い出され二人は親交を深める。
アパートに引っ越してきたタルコフスキーは管理人から日常生活に於いて異常な静寂を要求され、他の住人とも「音」の事で問題に成る。ある晩シモーンのドレスが入ったクローゼットを移動した時、壁に穴が開いているのを発見、そこからコットンに包まれた前歯を見つける。それから彼の部屋から見える共同トイレで長時間じっと立ち尽くす住民やら、窓から侵入しようとする手等被害妄想が広がって行き、無意識のままメークをしたりドレスを着ている自分に気づいた彼は周囲の者(友人と成ったステラを含む)が自分をシモーンに仕立て上げようと企んでいると断定し、凄惨なクライマックスを迎える。

この作品は日本では劇場未公開である。いったいこれはどういう事なのだろうか?
一つ前の作品「ローズマリーの赤ちゃん」は大ヒットしたにも関わらずだ!
「チャイナタウン」や「ローズマリーの赤ちゃん」も素晴らしい映画であるが、この作品はそれらを遥に上回る最高傑作である。
ここにyoutubeでアップされているいくつかのシーンがあるのでチェックしてみよう。
http://jp.youtube.com/watch?v=FwTwJreDSDI&NR=1
http://jp.youtube.com/watch?v=acVTOXnkYEE
http://jp.youtube.com/watch?v=npCoV1Je5Ao&feature=related
どうです?面白そうでしょう。しかし日本ではまだDVDが出ていないのです!
誰か、このDVDを発売して下さい。

ちなみにこの作品にはサイコロジカル・サスペンス・スリラーというカテゴリーを与えられている。
現在、のカテゴリーとしては最も的確なジャンルに思えるが、これこそ私が提唱している新ジャンル「サイコフィクション」として一般に認知されてしかるべき作品なのである。

次回はその「サイコフィクション」の定義、またそのジャンルの広がりについて書いてみようと思います。
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Posted by スクリーミング・マッド・ジョージ at 15:17Comments(0)TrackBack(0)
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